潰瘍性大腸炎に対する治療の流れは?
寛解に至ったら、寛解維持療法を開始 1)
潰瘍性大腸炎と診断されると、症状が治まった“寛解”の状態を目指して治療を行います。これを「寛解導入療法」といいます。寛解導入療法で寛解に至ったら、次に「寛解維持療法」を長期間継続することで、再び症状が現れる“再燃”を防ぎます。再燃した場合には、再び寛解導入療法を行って寛解の状態を目指します。
寛解期には症状がないため薬の服用を忘れたり中断したりしてしまいがちですが、再燃を防ぐためには、寛解維持療法を主治医の指示通りに継続していくことが重要です。潰瘍性大腸炎を完治させる治療法はありませんが、再燃を防ぎ寛解の状態をより長く保つことで、通常の日常生活を送りながら付き合っていくことができる病気です。
治療の目標は「粘膜治癒」へ2)~5)
現在、潰瘍性大腸炎を完治させる方法はありませんが、近年の治療法の進歩によって、治療の目標をより高く設定できるようになりました。従来は、「患者さんが感じる症状が治まった状態」を臨床的な寛解として目標にしてきましたが、最近では、「大腸粘膜の病変も治まった状態(粘膜治癒※)」を目標として治療に取り組むことが推奨されるようになっています。粘膜治癒に至ると再燃が起きにくく、大腸を切除する手術をせずに済む可能性が高くなるため、将来の経過の改善が期待できます。
臨床的な寛解に至って間もない時期に大腸粘膜を内視鏡で観察すると、多くの患者さんで病変の残存が確認できます。粘膜治癒に至るためには、症状がなくても、指示された薬をきちんと使っていくことが重要です。
※粘膜治癒は、内視鏡的寛解と呼ばれることがあります。
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