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潰瘍性大腸炎患者に対する医療費の助成はある?

潰瘍性大腸炎は難病法による医療費助成の対象 1)2)

潰瘍性大腸炎は、厚生労働省が定める「指定難病」の一つであるため、難病法(正式名:難病の患者に対する医療等に関する法律)に基づく医療費助成の対象となります。

助成の対象

潰瘍性大腸炎の患者さんであれば必ず助成の対象となるわけではなく、重症度※1が中等度または重度の患者さんが対象となります。しかし軽症の患者さんであっても、長期に高額医療の継続が必要な場合※2には、助成の対象となります。

  • ※1:重症度は、厚生労働省の定める「臨床的重症度分類」に従って医師が評価
  • ※2:月ごとの医療費総額が33,330円を超える月が年間3回以上ある場合

助成の内容

難病法に基づく医療費助成では、患者さんの自己負担割合は2割となっており、所得に応じた自己負担上限額が設定されています。自己負担上限額と医療費の2割を比較して、自己負担上限額の方が上回る場合は、医療費の2割が窓口での負担額となります。また、医療費の2割が自己負担上限額を上回る場合は、その差額が支給されます。

指定難病に対する医療費助成の自己負担の考え方
厚生労働省健康局難病対策課:難病の患者に対する医療等に関する法律の概要
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000128881.pdf より作図(2024/8/20参照)

申請の方法3)

申請の際には、主に次の書類が必要となります。

  • 1.診断書(臨床調査個人票)
  • 2.申請書(指定難病医療費支給認定用)
  • 3.公的医療保険の被保険者証のコピー
  • 4.市町村民税の課税状況の確認書類
  • 5.世帯全員の住民票の写し

これらの書類をそろえて、都道府県・指定都市の窓口に申請しますが、その際の流れは以下のようになります1)

  1. 潰瘍性大腸炎の診断を受けたら、難病指定医を受診する。
  2. 診断書(臨床調査個人票)を難病指定医に記載してもらう。
  3. 上述の書類を揃えて、都道府県・指定都市の窓口で申請する。
  4. 審査が行われ認定されると、指定難病医療受給者証が発行される。
  5. 指定医療機関を受診するときに受給者証を呈示して助成を受ける。
指定難病に対する医療費助成を受けるための申請の流れ
厚生労働省健康局難病対策課:医療費助成制度周知用資料
https://www.mhlw.go.jp/content/001219837.pdf より作図(2024/8/20参照)

高額療養費制度と指定難病による医療費助成の併用4)

公的医療保険制度では、1ヵ月に支払う医療費が自己負担上限額を超えた場合に、超えた分を支給する「高額療養費制度」を設けています。上限額は、所得や年齢によって異なります。支給を受けるためには、加入している公的医療保険(健康保険組合や市町村国民健康保険、共済組合など)に支給申請書を提出します。
医療費が高額の際に高額療養費制度と指定難病による医療費助成を併用する場合、まず高額療養費制度の上限額を超えた分が公的医療保険により支給され、高額療養費制度を適用した後の自己負担額について、さらに指定難病による医療費助成が適用されることになります。

医師への相談シート

気になる症状がある場合はたとえ症状が一時的に治まっていても、主治医に伝えることが重要です。「いつもの症状」や「いつもはすぐによくなる症状」であっても、医師が粘膜治癒に至っていないサイン、または再燃の徴候と捉えることがありますので、医師が適切な対応をとれるように、遠慮せず伝えるようにしましょう。また、治療や日常生活に関しても相談したいことがございましたら、主治医の先生にお聞きください。

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